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エンボスとフェルトマーク

2025.12.19

エンボスとフェルトマークは、どちらも紙の表面加工や視覚的な質感に関連する用語ですが、異なる技術や効果を指します。

エンボス(Embossing / 型押し)

紙などの素材に凸凹の立体的な模様や文字を浮き上がらせる加工技術。 

  • 技術: 通常、雄型と雌型の金属版で紙を挟み込み、圧力をかけて形成されます。
  • 効果: 印刷とは異なる、触覚的な質感と視覚的な高級感を演出します。光の当たり具合によって影ができ、デザイン要素を際立たせます。 

フェルトマーク(Felt Mark / フェルト仕上げ)

紙の製造工程で付けられる“独特な表面の風合い(テクスチャ)”。 

  • 技術: 紙の原料である紙料(パルプ)を抄紙機(しょうしき)でシート状にする際、意図的にフェルト(羊毛などの厚い布)の模様を転写させることで作られます。
  • 効果: フェルト特有の温かみのある、織物のような細かな凹凸や格子状の模様が紙全体に均一に入ります。

エンボスは特定のデザインを「浮き上がらせる」技術、フェルトマークは紙そのものに「織物のような風合いを持たせる」質感と言えます。

弊社でも取り扱いのある紙の中で、「五感紙」と「マーメイド」という二つのよく似た紙があります。

浅く全面エンボスが施されたフェルト調の五感紙、さざ波のような柔らかいフェルトマークが特徴のマーメイド。

見た目はよく似た2つの紙ですが、微妙な印象の違いは異なる技術によるものなのでしょう。

ぜひ実際に手に取って確かめてみてください。